給水型浄水ウォーターサーバー
アクアソムリエ監修
有機フッ素化合物(PFAS)は、水や油をはじき、熱や薬品に強い性質を持つ合成化合物です。しかし、発がん性や免疫力の低下といった人体への影響が懸念されており、製造や輸入が規制されています。
日本国内でも、水道水の測定で暫定目標値を上回る地域(16都道府県、111地点)が確認されているのが現状です。
本記事では、PFASの概要と人体への影響、水道水の実態、そして家庭での対策についてわかりやすく解説します。
「有機フッ素化合物」とは、構造式の中に炭素とフッ素の結合を含む有機化合物のことで、人工的に作られた物質です。有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物をまとめて「PFAS」と呼び、1万種以上が存在すると言われています。
代表的なPFASとして、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)が知られています。
有機フッ素化合物(PFAS)は、水や油をはじき、熱や薬品にも強いという特性があり、さまざまな用途で利用されてきました。
PFASが使われている主な製品は、以下の通りです。
フライパンなど調理器具
靴・衣類用の防水スプレー
防水・防汚加工された
衣類やカーペット
消化器の泡消火薬剤
半導体や液晶ディスプレイ
食品の油をはじく包装紙
など
一方で、PFASの人体や環境への有害性が指摘されたことから、国際的な規制が進められました。
PFOSは2009年、PFOAは2019年に、国際的な条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs 条約))に基づき廃絶の対象となり、日本でも「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」により、PFOSは2010年、PFOAは2021年に製造・輸入が原則禁止されました。
なお、PFOSやPFOAを含む製品の廃棄に際しては、環境省が設けた「PFOS 及び PFOA 含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項」に従って、適切に処分できる廃棄物処理業者に処理を委託する必要があります。
有機フッ素化合物と混同されやすい物質に、歯磨き粉などに含まれる「フッ素(無機フッ素化合物)」があります。しかし、これらはまったく別物です。
無機フッ素化合物は、フッ素と、ナトリウムやカルシウムなどの金属、非金属が結合したものです。一方、有機フッ素化合物はフッ素と炭素を結合させた人工物です。
無機フッ素化合物は、歯のエナメル質を強化でき、むし歯予防効果があるため、歯磨き粉などに使用されています。適量であれば、人体に影響を及ぼす心配はありません。
有機フッ素化合物(PFAS)の人体への影響や毒性については、現在も国際的に検討が進められている最中です。
PFASの中でも、特にPFOSとPFOAについては、これまでに以下のような健康への影響が報告されています。
現段階では、どの程度の量を体内に取り込むと影響が出るのかについては、確定的な知見は得られていません。
一方で、国際がん研究機関(IARC)は2023年11月、PFOAを「ヒトに対して発がん性がある」に、またPFOSを「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」に分類しました。
参考:食品安全委員会|PFOA(パーフルオロオクタン酸)及びPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)に対する国際がん研究機関(IARC)の評価結果に関するQ&A
このように、人体への影響についての科学的知見を収集するために、各機関で研究や検討が進められています。
これまで解説した通り、国内での有機フッ素化合物(PFAS)は、製造・輸入が廃絶されているものの、「水道水に含まれているのではないか」という懸念の声が広がっています。実際に、各地の水道水から高濃度の有機フッ素化合物の検出が報告されました。
水道水にPFASが含まれてしまう主な原因として、自衛隊基地や米軍基地、立体駐車場などに設置されている泡消火剤を使用した際に流れ出たPFASが、土壌や地下水に残留し、河川や湖を経て水道水に混入する可能性が指摘されています。また、半導体の製造工場や産業廃棄物の処分場で流出するケースもあります。
PFASは残留性が高いことから、
水道水を介して人体に影響を及ぼすことが懸念されているのです。
こうした中、厚生労働省は2020年にPFOS及びPFOAを「水質管理目標設定項目」に位置付け、合算値で50ng/L以下とする暫定目標値を定め、飲料水中の PFOS、PFOA が暫定目標値を超えないように水道事業者等による管理をうながしています。
50ng/Lは、体重50kgの人が1日あたり2Lの水道水を一生飲み続けても、健康への影響が現れない濃度となります。
環境省が2022年度に38都道府県で行った水質モニタリング調査では、16都府県、111地点で、PFOS及びPFOAの合算値が50ng/Lを超過する結果が確認されています。具体的には、東京都、神奈川県、千葉県などの一部地域で高い濃度が検出されました。
参考:環境省|令和4年度公共用水域水質測定結果及び地下水質測定結果について
この調査結果を受け、環境省は「PFOS 及び PFOA に関する対応の手引き」に基づき、各都道府県の井戸の所有者に対して、基準を超過した水を飲まないなど、必要に応じた指導・助言を行っています。
このように水道水に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)への対策としては、PFOSやPFOAを除去できる浄水器やウォーターサーバーの利用が有効です。
PFOSやPFOAをしっかりと除去してくれる製品を選ぶには、「一般社団法人浄水器協会」の規格による試験結果で、除去効果が証明されたものを選ぶとよいでしょう。
その1つが「しずくりあ」です。
「しずくりあ」は、PFASをはじめ、農薬や重金属など21項目の除去が可能です(JISが定める家庭用浄水器試験方法の対象物質である17項目だけでなく、浄水器協会で定められた規格基準の対象物質4項目を含む合計21項目)。
FEATURE 01
料金はサーバーの
レンタル料金のみ
FEATURE 02
ボトル型と異なり利用量を
気にすることなく使える
FEATURE 03
給水型のため
ボトル配送の手間がない
FEATURE 04
冷水、常温水、温水の
3種類が使える
「しずくりあ」には、コストパフォーマンスに優れた「Skitto(スキット)」と、機能重視の「Pitto(ピット)」の2種類が用意されています。なお、常温水や21項目の除去に対応しているのはPittoですが、SkittoでもPFASを除去可能です。
月々の費用は定額のサーバーレンタル料金のみ。給水型のため利用量を気にすることなく使えます。12Lボトル換算で、「Skitto」なら月約8本分、「Pitto」なら月約35本分も使用可能でとても経済的。飲用以外にも料理、ペットのお水、植物への給水にも気兼ねなく使えます。
また、水の補充には水道水を使うためボトル交換の手間がかからず、ボトルの配送日程に合わせて家にいなければいけないといった心配もありません。ストックや空きボトルの置き場所に困ることもなく、ペットボトルのゴミが出ないため、環境にやさしいのもポイントです。
有機フッ素化合物(PFAS)は、撥水性や耐油性などの優れた特性からさまざまな製品に利用されてきましたが、人体への影響が指摘されるようになり、製造や輸入が禁じられています。一方で、PFOS、PFOAの水道水での含有量が課題となっており、環境省を中心に対策が進められています。
また、家庭でも浄水対策を講じることが重要です。高性能な浄水器やウォーターサーバーを使えば、水道水に残存するPFOSやPFOAを除去できます。
給水型浄水ウォーターサーバー「しずくりあ」は、有機フッ素化合物をはじめ21項目の有害物質を除去する高い浄水性能を備えています※。月額料金で大量の水が自由に使えて経済的。水道からの補給で配送の手間がなく、使い勝手に優れた製品です。
(※Pittoは21項目を除去、Skittoは16項目を除去)
PFASのリスクを低減し、安全な飲料水を確保するためにも、ウォーターサーバーの導入は有効な選択肢と言えるでしょう。
福原功(Go Fukuhara)
日本アクアソムリエ協会認定アクアソムリエ。水の専門知識をもとに、総合比較メディア「HonNe」でウォーターサーバージャンルの執筆・品質管理を務める。
20機種以上のウォーターサーバーを実際に使用・検証し、おすすめのウォーターサーバーを紹介しています。