給水型浄水ウォーターサーバー
獣医師監修
家族の一員であるペットが飲む水にも、新鮮さや安全性を求めていきたいという方は多くいるでしょう。しかし、ペットに適した水の選び方は意外と難しく、ミネラルを多く含む水を長期間あげ続けると尿路結石などのリスクが高まるのです。
昨今では、ペットに適したウォーターサーバーの利用が広まってきています。手軽に美味しい水を用意でき、健康面での安心感も得られるでしょう。今回は、ペットのいるご家庭にウォーターサーバーを導入するメリットや注意点についてご紹介します。
ウォーターサーバーの水は、主に天然水やRO水、浄水が使われています。
天然水は地下水や湧き水を使用しており、処理や加工を抑えて、ミネラルを豊富に含んでいます。RO(Reverse Osmosis)水は、原水を逆浸透膜でろ過し、ミネラルを含む不純物を取り除いたものです。浄水は、水道水などをフィルターに通して塩素やカルキ臭などを取り除いたものです。浄水器の種類によって、除去される物質は異なります。
一般的にウォーターサーバーの水は、犬や猫、ハムスターなどのペットに与えても問題ありません。適切な量と温度で与えれば、ペットの健康を守ることができます。
ただし、一部の例外として、ミネラルの含有量が多いウォーターサーバーの水を与え続けると、尿路結石などの病気を引き起こすかもしれません。尿路結石の主な症状は、頻尿や血尿、下腹部の痛みなどが挙げられます。尿閉や腎不全になる可能性もあり、重症化すると命に関わるのです。
症状に心当たりがある場合は、動物病院を受診し、適切な治療を受ける必要があります。ウォーターサーバーの水をペットに与える際は、その成分が問題ないか確認することが大切です。
ペットにミネラルウォーターを与える場合、まず、軟水か硬水かを確認しましょう。軟水と硬水の違いは、含まれるミネラル分の量で判断されます。
種類 | 硬度の基準 |
---|---|
軟水 | 60mg/L未満 |
中軟水 | 60~120mg/L未満 |
硬水 | 120~180mg/L未満 |
超硬水 | 180mg/L以上 |
硬度が高いほど、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が多く含まれています。
栃木県獣医師会によると、ミネラルの過剰摂取は犬の尿路結石の一因とされています。特にカルシウムやマグネシウムを多く含む水は避けた方が無難でしょう。そのため、ペットに与える場合は「軟水」を選ぶのが賢明でしょう。
一般的なミネラルウォーターは硬水が多く、ペット用としては避けた方が安全です。家庭の水道から出る軟水や、低ミネラルのウォーターサーバーの水をおすすめします。
日本の水道水はほとんどが軟水なので、ペットに与えても問題はありません。硬度は、おおむね10~100mg/Lとなっています。東京都水道局が測定した都内の平均硬度は約60mg/Lでした。
→ スクロールしてください
欧米などの一部の地域は石灰質の土壌を長く通っていく中でミネラルを多く含み、硬水となりますが、日本はそのような土壌を長く通ることがないため、軟水質となるのです。
ただし、一部の地下水などを水源とする地域では硬度が高くなる可能性もあるため、具体的な硬度は自治体ごとの水質データで確認するといいでしょう。
ペットに与える水として、水道水以外にもウォーターサーバーを利用するのがおすすめです。ウォーターサーバーには、主にウォーターボトルを自宅に配送する「宅配型」と、自宅の水道水を浄水する「浄水型」の2種類があります。
ウォーターサーバーには以下のようなメリットがあります。
ウォーターサーバーの水は、ろ過された清浄なお軟水です。不純物が取り除かれているため、いつでも新鮮でおいしい水を使用できます。また、宅配型では製造工場で徹底した衛生管理がなされたウォーターボトルを使え、給水型では水道水をろ過して使えるので安全性も高くなっています。ペットにも安心して飲ませられるでしょう。
また、一般的にウォーターサーバーの水は軟水で、ミネラル分が過剰に含まれていません。このように、おいしくて衛生的な上に健康にも配慮された水をいつでも与えられるのがウォーターサーバーの大きな魅力です。
ウォーターサーバーには温水の出るものが多く、すぐにお湯を準備できます。消化不良を防ぐためにペットフードをふやかす際や、温かい飲み物を飲ませる際など、さまざまなシーンで役立ちます。
お湯が必要な時に、わざわざポットで沸かす手間が省けるので時短につながります。用途に合わせて温冷調整ができ、実用的です。忙しい朝なども、手軽にペットの世話ができるでしょう。
給水型のウォーターサーバーを利用すれば、ペット用の飲料水をわざわざ購入する必要がありません。サーバーに水道水を給水するだけでいつでもおいしい水が使えるため、経済的です。
これまでペットのために、市販のミネラルウォーターや加工飲料などを購入していた場合、ウォーターサーバーを導入することで、そのコストを抑えられます。1回の購入費用は少額でも、積み重なれば相応のコストになってきます。ペットも含め、家族全員で利用でき、家計にもやさしいこともウォーターサーバーのメリットです。
宅配型ウォーターサーバーのウォーターボトルは、備蓄水としても有効活用できます。災害時に生活用水やペット用の水として、一定量を確保できるでしょう。ウォーターボトルを何本か自宅に置いておけば、電気やガスが使えない環境でも、そこから安全な水を使えます。
ペットを飼っている場合は、ペットの分も確保しておく必要がありますが、普段からウォーターサーバーを使っていれば問題ありません。
ウォーターサーバーはペットに水を与える際に便利ですが、正しく利用しないと思わぬトラブルにつながる可能性があります。以下の点に注意しましょう。
冷たい水をそのままペットにあげると体調不良につながるかもしれません。胃腸に負担をかけ、嘔吐や下痢、食欲低下を引き起こすリスクがあります。
中には胃腸が丈夫な子もいますが、水を与える際は人肌に近い40度前後を目安にするといいでしょう。ウォーターサーバーで常温の設定ができればそれを与え、冷水しか出せない場合は時間をおいて常温に戻す、もしくは温水と冷水を混ぜて温度調整するといった対策が必要です。
ペットがウォーターサーバーをいたずらすると、水漏れや転倒により床や家具に浸水したり、コンセントから漏電したりする恐れがあります。そのため、ペットが近づけない場所に設置するのが理想的です。
ウォーターサーバーの近くに寄れないよう、フェンスを立てたり間仕切りを設けたりする対策も有効でしょう。ペットの習性を見極めたうえで、環境に合わせて適切な対策をとりましょう。
飲み水を容器に入れたまま時間が経つと、水の中にペットの唾液や食べかす、毛、ほこりなどが混じって、雑菌が繁殖しやすくなります。そうした水を飲み続けると、下痢や腹痛、嘔吐などを引き起こすかもしれません。
衛生面を考えると、毎日水を入れ替えるといいでしょう。1日2回、朝夕に新しい水に替えることが大切です。
また、容器自体もこまめに洗浄する必要があります。容器を目視し、もし異物があればすぐに洗ってあげましょう。
ペットの健康面に配慮したウォーターサーバーとして選ばれているのが「しずくりあ」シリーズ。しずくりあは、1950年に創業した株式会社TOKAIが提供する、給水型浄水ウォーターサーバーです。
水道水で不純物をしっかり除去し
安全な水にできる
料金はサーバーのレンタル料金のみ
ボトル型と異なり利用量を
気にすることなく使える
給水型のためボトル配送の手間がない
スリムデザインで
省スペースに設置できる
その中でも「Pitto」は、ペットに最適な製品と言えるでしょう。一番の魅力は、冷水や温水だけでなく、常温水を選べる点にあります。(※常温水は室温により温度が変化します)
また、水の補充には水道水を使うためボトル交換の手間がかからず、ボトルの配送日にスケジュールを合わせる必要もありません。ペットボトルのゴミも出ないため、環境にやさしいのもポイントです。
さらに、省スペースでスリムなデザインなので、設置場所を選びません。コンパクトな製品ながら、十分な量の水を利用できるのも魅力でしょう。
ペットのために、しずくりあの「Pitto」を活用すれば、いつでもおいしくて衛生的な適温の水を用意できます。愛するペットの健康を守りたい方には、ぜひ検討していただきたいウォーターサーバーです。
安田賢(Masaru Yasuda)
日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。