一人暮らしの飲み水はどうするべき？
5つの選択肢を徹底比較！

一般的な成人が1日に必要な水分量は*¹約2.3~2.5L程度と言われています。ただし、外出先や食べ物からの水分補給もできるため、自宅の飲み水として確保したい量は1日あたり1.2L程度です。
つまり、1ヶ月換算すると一人暮らしの方でも約36Lの飲み水を確保する必要があるわけです。

*¹参照:健康長寿ネット

一人暮らしは自分ですべての飲み水を調達・管理しなければならないので手間をかけたくないと考える方もいます。一方で、一人暮らしには生活費に余裕がないケースも多く、コストを抑えることを重視したい方もいるでしょう。とはいえ、QOL向上の視点から安くても味や衛生面に不安が残るのは嫌だと考える方もいます。

これらの背景から「水道水は安いが味や衛生面が気になる」「ペットボトルは便利だが買い物やゴミ処理が大変」「ウォーターサーバーや浄水器は便利だがコストが高いのでは？」といった悩みが生まれています。

続いて、一人暮らしの飲み水を選び方と検討すべきポイントを紹介します。一人暮らしの飲み水選びで検討すべきポイントは大きく分けると以下の4つです。

• コスト
• 味や安全性（水質）
• 手間や利便性
• スペース

同じ一人暮らしでもライフスタイルや価値観は人によって異なるため、検討時に重視すべきポイントは様々です。また、何か1つのポイントに特化した選択肢ではなく、総合的にバランスのとれた飲み水の確保方法を選択したいと考える方もいるでしょう。

そのため、まずは自分の生活をイメージした上で、飲み水を選ぶ際に重視すべきポイントを明確にすることをおすすめします。重視すべきポイントが決まったら、自然と自分にあった飲み水の確保方法が定まるはずです。

それでも迷ってしまう場合は、最も手軽に始められる方法からスタートすることで、必要に応じて他の方法に変更しやすくなるのでおすすめです。

水道水は最もお手軽かつ、リーズナブルに利用できる方法です。そんな水道水のメリット・デメリットは以下の通りです。

水道水の魅力は「コストの安さ」です。地域によって異なりますが、1Lあたりの水道代は0.2~0.3円程度が相場なので1ヶ月でも10円以下と後述する他の選択肢と比較しても破格です。

一方で、日本の水道水には厳格な水質基準が設けられているため安全性も高いとされていますが、配管や貯水タンクの劣化による水質低下の懸念があります。

また、水道水を飲んだことがある方なら経験があるかもしれませんが、水道水は塩素による独特なにおいや味がします。そのため、飲みやすさにもこだわりたい方には、水道水はあまりおすすめできる方法ではありません。

どうしてもコスト重視で水道水を飲み水として利用したい場合は、水道水を煮沸させて使用することでデメリットを緩和させることが可能です。

コンビニやスーパーで売っているペットボトル水は、好きな水を必要な分だけ利用できる方法です。そんなペットボトル水のメリット・デメリットは以下の通りです。

市販のペットボトル水の魅力は「好みの飲み水を必要な分だけ確保できる点」です。コンビニやスーパーには様々なメーカーが製造したペットボトル水が販売されているので、味や水質面で後悔することはないでしょう。

また、2Lペットボトル水であれば130円程度で購入可能なので、1Lあたり65円とコスト面でも割安な部類と言えます。ただし、2Lペットボトルは運搬の労力がかかる点と、まとめ買いする場合はそれなりの保管スペースを確保する必要があるので注意しましょう。

一方、外出先でも購入しやすい500mlペットボトル水は運搬の労力も抑えられ、保管スペースも確保しやすいですが、1Lあたりのコストが約200円程度なので割高というデメリットがあります。

このようにペットボトル水は、容量によってメリットとデメリットが180度変わるため、市販のペットボトル水を飲み水として利用する場合はニーズに合わせた買い分けが必要となります。

浄水器は水道水を専用のカートリッジを使ってろ過する装置です。工事が必要な浄水器と工事が不要な浄水器がありますが、今回は手軽に導入可能な工事不要の浄水器のメリットとデメリットを紹介します。

ちなみに、工事不要の浄水器には水道の蛇口に取り付けるタイプの蛇口直結型と、ポットタイプで水道水を注いで使用するポット型の2種類があります。

浄水器の魅力は「水道水より安全かつ美味しい水が飲める点」です。浄水器は、水道水に含まれる塩素・不純物・においを除去できるため、水道水を直接飲むことに抵抗がある方でも安心です。

また、水道水をそのまま利用するため、買い物の手間や保管スペースが不要である点も浄水器のメリットです。

一方で、水道水をろ過する専用カートリッジは、メーカーによりますが2~3ヶ月に1度の定期交換が必要です。その際に毎回数百円程度の交換費用と手間がかかる点はデメリットと言えるでしょう。

他にも、蛇口直結型はあくまで水道水をろ過するだけなので水温は常温です。そのため、冷水を飲みたい方は毎回浄水した水を冷蔵庫で冷やす必要があります。さらに、浄水後の水は長期間放置していると水質が悪化するため大量に作り置きしておくこともできません。

ポット型は冷蔵庫に入れたままろ過することが可能なので、冷水を飲みたい方でも便利に使用できます。ただし、毎回水道水を注いで使用する手間がかかる上に、1度に1~2L程度までしかろ過できないので、こちらも大量に作り置きできない点がデメリットです。

浄水型ウォーターサーバーは水道水を内蔵された浄水機能でろ過して使用するタイプのウォーターサーバーです。

水道菅の工事が必要な直結型と工事不要で水道水を注いで使用する給水型がありますが、今回は一人暮らしの方でも手軽に利用できる給水型のメリットとデメリットを紹介します。

浄水型ウォーターサーバーの魅力は「定額料金でろ過された冷水や温水が使い放題になる点」です。浄水器が内蔵された家電製品とも言い換えられるので、浄水器のある生活よりもQOLの向上が期待できます。

浄水型ウォーターサーバーは月額2,500円～3,500円程度の定額料金で冷水や温水が使い放題なので、飲み水以外にも炊飯や料理でも活用することが可能です。

それだけでなく、再加熱機能や定量抽出機能といった水道水をろ過する以外の便利な機能が搭載されているメーカーもあるので、一度利用すると浄水型ウォーターサーバーのない生活に戻れないという方もいる程、満足度の高いサービスです。

一方で、半年～1年間に1度のカートリッジ交換の手間や電気代がかかるといったデメリットもあります。また、浄水型ウォーターサーバーには2~5年程度の契約期間が設定されており、期間内の解約で数万円の解約金が発生するメーカーが多い点にも注意しましょう。

他にも1Rなどの狭い部屋の場合だと設置スペースが確保できない可能性もあるので、浄水型ウォーターサーバーを導入する前にどのスペースに設置するかを決めておくことをおすすめします。

宅配水型ウォーターサーバーは、定期的に配送される専用の水ボトルを差し込んで使用するタイプのウォーターサーバーです。宅配水型ウォーターサーバーはサーバーレンタル代が無料のメーカーも多いですが、水ボトルが1本12Lで約2,000円程度かかります。そのため月額料金としては約4,000円程度と他の選択肢と比べると費用負担が若干大きいです。

そんな宅配水型ウォーターサーバーのメリットとデメリットは以下の通りです。

宅配水型ウォーターサーバーの魅力は「高品質で美味しい水を便利に使用できる点」です。極上の天然水を飲み水として使用できるメーカーもあるため、味や水質面にこだわりたい方でも後悔することはないでしょう。

また、市販のペットボトル水を購入する場合とは違い、いつでも冷水と温水が使えるので利便性も抜群です。さらに、水ボトルは定期的に自宅まで配送されるため買い物や運搬の手間が一切かからない点もメリットと言えます。

デザインもおしゃれなメーカーが多く、部屋のインテリアにこだわりたい方にもおすすめです。

一方で、水ボトルは1本12Lのメーカーが多いため、こちらをサーバーに設置・交換する手間や保管スペースの確保が必要な点がデメリットです。もちろんサーバー自体の設置スペースも必要となるため、スペースの確保に苦戦するケースも少なくありません。

また、水ボトルの定期配送には注文ノルマがあり、水の使用量が少ない方だと水ボトルが大量に余ってしまうリスクもあるので注意しましょう。

コスト面では「水道水」が最も有力な選択肢となります。他の方法では月間数百円～数千円程度のコストがかかりますが、水道水であれば月間10円程度の水道代しかかかりません。

ただし、水道水は味や衛生面で課題を抱えているため、安いからといって水道水を選択するのは注意が必要です。そのため、とにかくコスト重視で検討したい方でも、一度他の選択肢に目を向けてみることをおすすめします。

水道水の次にコスト面でおすすめできるのが「浄水器」です。浄水器は本体購入代と水道水をろ過するためのカートリッジ代がかかりますが、月間数百円程度で利用が可能です。

浄水器は4項目の全体的なバランスがとれている選択肢でもあるため、コスト重視での飲み水確保方法を検討している方にとっては、有力な選択肢と言えるでしょう。

味・安全性（水質）の面では「ペットボトル水」「宅配水型ウォーターサーバー」が最も有力な選択肢となります。いずれの選択肢でも天然水やRO水といった高品質な水を利用できるので、飲み水の味や品質にこだわりたい方でも満足感が高サービスと言えるでしょう。

ただし、ペットボトル水は買い物や運搬の手間やコストがかかる点、宅配水型ウォーターサーバーはコストやスペース面の課題を抱えています。

飲み水選びでは、妥協するポイント選びも重要になるので、自分のライフスタイルをイメージして妥協しても問題ないポイントを決めることをおすすめします。

手間・利便性の面では「浄水型ウォーターサーバー」が最も有力な選択肢となります。

宅配水型ウォーターサーバーも手間・利便性の面では優秀ですが、浄水型ウォーターサーバーの方が様々な機能が搭載されている機種が多い上に、水ボトルの交換作業も不要なので、両者を比較すると浄水型ウォーターサーバーに軍配が上がります。

さらに、浄水型ウォーターサーバーは2,500円~3,500円の定額料金で美味しい冷水や温水が使い放題となりますので、水道水や浄水器と比較してもコスパが良い選択肢と言えるでしょう。

スペース面では「水道水」が最も有力な選択肢となります。

ただし、スペース面だけを重視して水道水を選ぶことはおすすめしません。毎日の飲み水が美味しくない生活はQOLを下げることになり、生活全体のパフォーマンスを低下させてしまう可能性もあるからです。

そのため、コスト面や味・安全性（水質）面で妥協するくらいであれば、スペース面を妥協して家具配置を工夫してスペースを作り出す方がQOLの向上にも繋がるのでおすすめです。